ばななんぼうの部屋

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源氏物語 須磨

9月になりました。
僕のデスク、卓上カレンダー『源氏絵の四季』、今月は須磨です。
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なんだか急に源氏物語が読みたくなって、帰ってから久しぶりに日本古典文学全集をひっぱりだし、『須磨の巻』だけ読んでみました。

須磨には、いとど心づくしの秋風に、海はすこし遠けれど、行平の中納言の、関吹き越ゆると言ひけん浦波、夜々はげにいと近く聞こえて、またなくあはれなるものは、かかる所の秋なりけり。

うわー。和歌を織り交ぜながらの流れるような文体。いいなぁ源氏物語。


そんな須磨の秋に、侍者が寝静まる中、ひとり目を覚まして風波の音を聞いて涙を流す源氏。琴を鳴らすも、あまりに寂しく感じるので途中でやめて

恋わびてなく音にまがふ浦波は思ふかたより風や吹くらむ

と歌い…

僕のカレンダー、今月、『源氏物語画帖』の場面には、そんな風に都を思う光源氏が描かれていますが、他の月のも全部含めてとっても気に入ってます♪もらいものなんだけど、ほんまにありがとう。

僕にとって、在原行平と言えば、百人一首でお馴染みの「立ちわかれいなばの山の峰におふるまつとしきかば今かへりこむ」という歌が思い浮かぶけれど、まだ百人一首なんて成立していない、源氏物語がタイムリーな千年前の読者さんたちには、行平が須磨に流されて寂しさを紛らわすために琴を作ったとか、都恋しの歌を創ったとかの話が思い浮かぶんだろうな。


例えば
おはすべき所は、行平の中納言の、藻塩たれつつわびける家ゐ近きわたりなりけり。海づらはやや入りて、あはれにすごげなる山中なり。
と光源氏が住むことになるところの描写には、「わくらばに問う人あらば須磨の浦に藻塩たれつつわぶと答へよ」の歌が引用されているけれど、読者はみんな、行平の嘆きを光源氏に重ね合わせていくんでしょうね。

紫式部は、そういう皆が感心ある話題や、当時の雅な女性なら必ず知ってるような和歌を織り交ぜて、読者の心をしっかりと掴む術に長けた作家だったんだなと改めて思いました。

さてさて、『須磨』の巻には、ここまでに光源氏と関わりあった人物がほとんど登場してきます。そうするとなんだか、これは最初っからちゃんと読まないと!!という気持ちにさせられちゃいました。

読書の秋
夜長には『源氏物語』だ!!
なんて三日坊主確実な決意をしたのでありまし…た。

とりあえず、今日は桐壺を読みながら寝るとしまする。
これなら、むっちゃ早く寝付けるかも(笑)
おやすみなさい。
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by bananan_bou | 2008-09-01 23:17 | 読書 | Comments(3)
Commented by lazyMiki at 2008-09-02 20:31
ばななさん、これ、原文(古文というのかな)でお読みなのですか?
すごいー。
私もせめて「あさきゆめみし」からは脱却せねば(あれはあれで素晴らしいけど・・・^^;)。
読むとなれば、私は現代語訳でしょうけど、誰のがよいかなぁ。
うちにあるのは円地文子さんのものなんだけど、やっぱり谷崎かな?
ずっと昔、この源氏の「須磨」の舞台を求めて某須磨海岸をウロついたことがあるんだけど、何だか全然それらしくなくって、もしかしたら同じ名前のまるっきり見当違いの場所だったんじゃないかと、今でも疑ってます。
Commented by bananan_bou at 2008-09-02 22:10
Mikiさん、こんばんはー。

谷崎は3度源氏物語の訳を出してるんですけど、僕の持ってるのは学生時代古本屋で買った、2度目の現代語訳で、12巻本と言われる『潤一郎新訳 源氏物語』ってやつ。3度めの『新々訳 源氏物語』は新しい仮名遣いなんですが、『新訳』のほうは歴史的仮名遣いで、文体が原文の雰囲気をよく出しているんで、とっても気に入ってます。
他のかたの訳はまったく読んだことがないので、なんとも言えませんが、与謝野晶子なんかは、自分の歌を挿入するなんてことをしてはるし、たしか、円地さんもアレンジをしてるって聞いたことがあるんで、やっぱり谷崎を勧めてしまいますねぇ(笑)

いつかね、源氏を古文のまま制覇したいという願望を持ちながら、一応、古典文学全集も持ってはいるんで、頑張ればいいんだけど…なかなか、更級日記の作者、菅原孝標女のように、「昼は日暮らし、夜は目の覚めたる限り、灯を近くともして、これを見るよりほかのことなければ」とはいきませんねん。

古文はね一応それなりに読めるんですよ←ちょっと自慢(爆)
大学んときにね、そんな学科におったもんで。
もちろん、辞書や脚注に頼るところは多いですが(T▽T)
Commented by bananan_bou at 2008-09-02 22:15
Mikiさんへ
↑の続きです。(谷崎の名が出ると饒舌になってしまってすみません~)

で、ですねぇ、なんだっけ(笑)
あ、そうそう!!いいですねぇ~「須磨」の舞台を求めて!!
確かにそれらしくないかも!?
なんせ、紫式部があまりにも辺境の地として描きすぎですからね。
でも、秋が深まって人が少なくなると須磨も風情があっていいと思います。

ちょっと足を伸ばして明石もいいなぁ。
なんてったて、たべもんが美味しい~~。
タコ食べたい!!
って、結局食べもんかよ。